【5328】第1章:小さな上り坂(5)

2019年8月4日(日)

ノンストップで15年目突入。

連続更新5328日目の超個人的日記です。


マイクを持って登場した

村の婦人会長、

「君の名は。」


◆第5話:止まった時が動き出した瞬間。


「よっ!クミ嬢〜!!」という

村民からの大きな掛け声が飛んだ。



マジか!?


「君の名は。クミ嬢か!!!」



3歳の記憶、おそるべし!


すれ違った際に一瞬脳裏に

浮かんだ、3歳の記憶。


三つ子の魂百までと言われるが、

間違いなく、三つ子の魂は

24歳(当時の私)まで

残っていることは証明できた。



そしておそるおそる挨拶に行くと

「もしかして?タカシ君!?」


クミ嬢の方から声をかけられた。


彼女も、人の入れ替わりがほとんどない、

顔見知りだらけの島の生活の中で

すれ違った一人の青年を不思議に思い

記憶を辿ると、幼き頃この島を出た

私にそっくりだと思ったのだという。


そこから主目的の祭りとは

異なる祭りが始まった。



「タカシが帰ってきたぞーー!!」


その後それはそれは大盛り上がり。


小さすぎる町だけに、

ある一定年齢以上の方々はほぼ全員

「私の父の教え子」であり、

そのご父兄・ご親戚・ご近所さんなのだ。


島に入って表敬訪問した、

若き村長さんも父親の教え子だという。


その村長も

「おいおい、タカシくん!

ちょっとウチにおいでよ!」と

急にフレンドリーな口調に変化した。


遠く離れた

「花の都・大東京」からやってきた

標準語を使うシティボーイ(死語)

御一行の中に

この村で育った私がいたのだ!!


我々を一気に飲み込む甑島の面々。


結局、そのフィールドワーク中、

私たちのゼミ生は毎晩のように

いろんな方の自宅におじゃまし、

焼酎と釣りたての魚をご馳走になった。


宿舎にほとんど戻ってこないものだから、

教授に「何しにきてんだ!」

「遊びじゃないんだぞ!」と

怒鳴られる始末。



でも全く怖くない。


私にとって20年の時を埋める、

「祭り」なのだから。



~第6話:「家はどこに!?」に続く~

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